服部倫卓著

『歴史の狭間のベラルーシ』

(ユーラシア・ブックレットNo.68、東洋書店、2004年)

 

 

発売日:200410月20日  定価:本体600円(税別)

A5判 64頁 ISBN:4-88595-523-8

ご注文は、一般の書店か、http://www.toyoshoten.co.jp/index2.htmlまで

 

 

 周囲の大国に翻弄され続け、ソ連崩壊を受け独立したベラルーシ共和国。国民国家建設の困難な道程を、近代ナショナリズムの歩みと対比しつつ通史として明らかにする。

 

     

 

本書の構成

 

はじめに

  本書のねらい  地名・人名等について  ベラルーシの歴史的・エスニック的な6つの地域

第1章 先史〜古代〜キエフ・ルーシ

  スラヴ人の流入  ポロツク公国とログネダの物語  南部ではトゥーロフ公国が台頭

第2章 リトアニア大公国をめぐる紛糾

  リトアニア大公国の成立と拡張  収斂しない論争  自らが神話となった歴史家エルモロヴィチ         

  ヴィトフトになりたくて―ベラルーシの若者の騎士願望

第3章 〈大公国〉から〈共和国〉へ

  序曲としてのクレヴォ合同  マグデブルグ法という金科玉条

  ベラルーシにおける宗教改革とブドヌイ   評価の分かれるルブリン合同

  ブレスト合同とユニエイト教会

第4章 暗転する運命

  ベラルーシ人とウクライナ人の分かれ目  相次ぐ戦乱による被害

  〈共和国〉の終焉とベラルーシ

第5章 逆説の帝政ロシア時代

  ロシア統治下で進んだポーランド化  2度の大規模な蜂起  漂流する「ベラルーシ」

  ナショナリズムの届かない前近代的社会  長い眠りの果てに

  ミンスクでひっそりと産声をあげたソ連共産党

第6章 激動の20世紀を越えて

  第1次大戦とロシア革命  ベラルーシ人民共和国  BSSRの創設と領土の変遷

  「イスラエル建国の父」を生み出したベラルーシ  スターリン体制と大祖国戦争

  いかにして現ベラルーシ国境は出来上がったか  ポレシエびとのつぶやき

  独立への動きとベロヴェージ会談  独立後の迷走

おわりに

 

主要参考文献

 

お知らせ

 

 本書は全64ページというコンパクトなブックレットであるため、紙幅の都合上、索引を付けることができませんでした。そこで、筆者が独自にPDF版の索引を作成しましたので、ご利用ください。ダウンロードはこちら。

 

 

 本作でも、『不思議の国のベラルーシ』の時と同様、用意したのにスペースの都合で掲載できなかった写真が何点かありました(とくに、最後の聖ポクロフスキー大聖堂を割愛せざるをえなかったのは、断腸の思いでしたが・・・・・・)。そこで、ここではそれらの掲載しきれなかった写真たちをご紹介いたします。カッコ内はブックレットの関連ページです。

古都トゥーロフに建てられた

キリル・トゥーロフスキー像

(p.9)

エルモロヴィチ氏の著作

『ベラルーシ国家としてのリトアニア大公国』

(pp.12-15)

ブレスト州コブリン市にある

スヴォーロフ記念コブリン軍事史博物館

(旧スヴォーロフ邸)

(p.29)

ベラルーシ理念の先駆者か?

ヤクブ・ヤシンスキーの切手

(p.29)

旧ロシア・アジア銀行ゴメリ支店

ベラルーシ地域で最初期に出来た銀行だった

(p.32)

グロドノにあるマクシム・ボグダノヴィチの博物館

20世紀初頭に活躍した古典作家の一人

(p.38)

バラノヴィチの

聖ポクロフスキー大聖堂

(p.60)

 

服部コメント

 

2004年11月 服部倫卓 

 

 本書の「はじめに」の部分にも書きましたとおり、このブックレットは、前作『不思議の国ベラルーシ』を上梓した際に採録しきれなかった話題や歴史的エピソードなどを盛り込みつつ、ベラルーシの歴史を通史の形で論じたものです。個人的には、本ブックレットを『不思議の国ベラルーシ』の歴史補遺編と位置付けており、これでようやく一つの仕事が完結したという思いです。

 前作と本ブックレットは相補的な関係にありますので、ベラルーシのことに関心を抱いてくださった方には、ぜひ2冊とも手にとっていただければ幸いです。

 

 

Copyright (C)服部倫卓 本ホームページに掲載されている情報の無断転載はお断りします