田畑伸一郎・末澤恵美編

『CIS:旧ソ連空間の再構成』

(国際書院、2004年)

 

 国際書院より、田畑伸一郎・末澤恵美編『CIS:旧ソ連空間の再構成』が発行されました。バルト3国を除く旧ソ連12カ国によって構成される「独立国家共同体(CIS)」を、様々な角度から論じたものです。我が国を代表する中堅・若手の同地域研究者の共同研究の成果をまとめた共著となっています。私(服部)も参加させていただき、第6章を執筆いたしましたので、早速紹介させていただきます。

 


 

発売日:2004325日  定価:本体3,200円(税別) A5判 ISBN4-87791-132-4  251

ご注文・お問い合わせ先:国際書院 担当 石井彰(Tel:03-5684-5803) kokusai@aa.bcom.ne.jp

 

国際関係、国際法、安全保障、経済、社会など様々な学問領域を踏まえた

日本で初めてのCISに関する研究書!

 

 本書は、この10数年間のCISの役割を客観的に位置付け、その評価をおこなう。CISは何を目的とし、CISによって何が達成されたのか。CISの求心力とは何か。またそれは21世紀にどのような意義を有しているのか(本書「はしがき」から)。

     

 

本書の構成

T  CISの位相

 序 章 CISの軌跡                                             末澤 恵美

 第2章 機構としてのCIS                                         山田 哲也                                   

U  CISの基線

 第3章 経済統合 ―旧ソ連経済空間の解体との対照                田畑 伸一郎

 第4章 安全保障 ―CIS全体の統合から部分的な協力関係の構築へ      角田 安正

 第5章 「近い外国」のロシア人 ―同胞法と国籍法にみるロシアのジレンマ  岡 奈津子

V  CISの変異

 第6章 ロシア・ベラルーシ連合はCIS統合の牽引車か                   服部 倫卓

 第7章 CIS内サブ・リージョナル・グループの動向―GUUAMの盛衰を事例に  廣瀬 陽子

W  CISの展開

 第章 CISと国際関係 ―ウクライナ・コーカサス・中央アジア         末澤・廣瀬・岩下

 第章 CISとロシア  ―選択的重層アプローチの形成と展開            岩下 明裕

 

    ―21世紀の「実験場」?                                   岩下 明裕

 

 

    ベラルーシのミンスクにあるCIS本部

  CISのロゴマーク

 

 

[著者紹介(執筆順)]

末澤恵美(すえざわ・めぐみ)平成国際大学助教授

山田哲也(やまだ・てつや)椙山女学園大学助教授

田畑伸一郎(たばた・しんいちろう)北海道大学スラブ研究センター教授

角田安正(つのだ・やすまさ)防衛大学校助教授

岡奈津子(おか・なつこ)アジア経済研究所研究員

服部倫卓(はっとり・みちたか)ロシア東欧貿易会・ロシア東欧経済研究所調査役

廣瀬陽子(ひろせ・ようこ)慶応義塾大学総合政策学部専任講師

岩下明裕(いわした・あきひろ)北海道大学スラブ研究センター教授

 

 

 

服部コメント

 

2004年3月 服部倫卓 

 

 くしくも、私の単著『不思議の国ベラルーシ』と同じ日の発行ということになってしまいました。盆と正月が一緒に来るとはこのことでしょうか。

 私以外は皆実績のある真面目な学者さんばかりですからねぇ……。本の格調を落とさないように、周りに合わせて、珍しくお堅い論文調の文章を書きました。笑うところが1箇所もない文章を書いたのは何年振りでしょうか???

 いずれにしても、参加者が言うのも何ですが、この本は丁寧につくられた良書だと思いますよ。索引や年表も完備していて、資料的価値も高いと思います。旧ソ連地域にご関心をおもちのすべての方にお薦めいたします。

 

   

 

 

       特  報  !

 アジア経済研究所の発行する『アジ研ワールド・トレンド』2004年5月号に、「CISを読み解く ― 旧ソ連諸国の現在」と題する特集が掲載されています。『CIS:旧ソ連空間の再構成』の執筆者全員が参加し、それぞれ以下のような文章を寄せています。本書を補足するものとして、あわせて参照いただければ幸いです。

 

記号

特集にあたって(岡奈津子 )

記号

CISのゆくえ(末澤恵美)

記号

国際機構論とCIS(山田哲也)

記号

CIS経済統合と石油・天然ガス(田畑伸一郎 )

記号

集団安全保障条約とその求心力(角田安正 )

記号

旧ソ連のロシア人問題 −ロシアにとっての「同胞」とは?(岡奈津子 )

記号

ロシア・ベラルーシ関係に何が起こっているのか −天然ガス・スキャンダルが意味するもの(服部倫卓)

記号

GUUAM −ひとつの「時代」の終焉(廣瀬陽子 )

記号

ロシア外交におけるCIS(岩下明裕 )

 

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